床下の通気口
ここでは古い住宅の密閉された床下空間に換気口を設けた際の作業内容を記事にしたものです。
DIYで古い家の工事をされる方の参考になれば幸いです。
床下換気の必要性
床下には地面から上がってくる湿気や温度変化による結露などで湿気が滞留しやすい環境にあります。
特に昔は田んぼだった土地や低い場所にある土地では地面に湿気を多く含んでいることがありますので換気対策はしっかりと行う必要があります。
ではなぜ床下の換気が必要なのかといいますと、前述したように床下では湿気が滞留しやすい環境にあります。
この床下の湿気を放っておくと家の土台にカビが生えたり、腐ったりしてアレルギーや喘息などの健康被害を及ぼす原因になりかねません。
また、もう一つ厄介なのが湿気のある環境を好むダニやシロアリといった害虫が繁殖する危険性が非常に高くなってしまうということです。
特にシロアリは放っておくと家を倒壊させてしまう危険性もあるので床下の換気対策は非常に大切です。
湿気が溜まりやすい土地の特徴
床下に湿気が溜まりやすい条件には以下のようなものがあげられます。
・もともとは水田や湿地だった土地
・坂の下や山のふもとなど周囲の地形と比較して低い場所にある土地
・隣家が密接しているなどの風通しが悪い土地
・布基礎で基礎の高さが低い家
・家の北側に位置する場所
床下に通気口を作る
古い住宅では風呂場や玄関下の基礎部分には開口部をなくし、土を入れて床の高さを調整してある物件が多くあります。
このような工法は地面から土台までの距離が短く通気性も悪い事から腐食やシロアリの被害を受けやすい構造です。
我が家もこのような作りであったため風呂場や玄関の付近でシロアリの被害を受けていました。
そこで、今回の工事ではこの密閉された空間に換気口を設けることにします。
基礎を切る
コンクリートを切断するにはダイヤモンドカッターを装着したディスクグラインダーを使用します。
開口部となる部分の墨線にそってダイヤモンドカッターで切り込みを入れていきます。
裏側も同じように切り込みを入れます。
105ミリのディスクだと最大で20ミリ程の切り込みしか入りませんが、この切り込みはこの後の斫りで綺麗ににカットするための切り込みなので大丈夫です。
コンクリートを切っている最中は大量の粉塵が舞います。
防塵マスクと防護メガネの装着はもちろんですが、
髪の毛がゴワゴワになってしまうので帽子をかぶって作業した方がいいですね。
基礎を斫る
切り込みを入れおわったら、次は電動ハンマーを使って基礎を斫っていきます。
先端が平らなコールドチゼルを装着すると直線的に斫ることができますが、
一度に大きく斫ろうとするとこんな風に失敗します。
失敗すると補修の時間がもったいないので急がずに少しずつ斫るのが賢明ですね。
鉄筋が出てきた場合は切断します。
基礎の強度は落ちますが床下換気を優先します。
今度はうまく斫れました。
滅多に使う事のない道具はレンタル工具を利用するのもあり!
例えば、コメリなら一日1,980円で電動ハンマーをレンタルできます。
破損した箇所の補修
斫りすぎて欠けてしまった部分は型枠で囲ってからモルタルを流し入れて補修します。
写真のクランプは100円ショップで買ったものですが何かと役に立ちます。
表面の仕上げ
斫った後のコンクリート表面はデコボコになっているので、
モルタルを使って表面をなめらかに仕上げます。
まとめ
この場所は15年ほど前にもシロアリの被害にあっていて、土台と柱の入れ替えを行ています。
今回も床をはぐってみると土台は湿気を吸っていて、合板には蟻(黒)が住み着いていました。
この場所は家の北側に位置していて基礎が密閉状態であったため通気が悪く湿気がこもった事が原因と思われます。
この事から床下に通気のための開口部がなければ湿気が行き場を失い、何回修繕してもまた同じ状況になってしまうと確信しました。
基礎を切ったり斫ったりととても面倒な一日でしたが、今回のリノベーションではポイントとなる作業となる事は間違いなさそうです。
家の北側は湿気が逃げにくい場所です。リフォームやリノベーションをお考えの方は参考にしていただけたらと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次は土台の据え付けをやっていこうと思います。
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