交いは建物の壁を構成する構造材のひとつで、土台と横架材をつなぐ斜めの材料のことをいいます。
筋交いには地震時の横揺れの力を土台と横架材に逃がすことで建物を倒壊から守ってくれる大切な役割りがあります。
でも、筋交いの両端を寸法どおりにキッチリと収めるのは大変なのでは?と思う方もきっと多いはず。
そこでこの記事では、スマホと差し金を使った簡単に筋交いの両端の加工ができる方法を解説します。
ご自分でお家をリノベーションする時は、むやみに筋交いを切ったり撤去したりしないようにしましょう。
また、筋交いが入っていない場合には、この記事で紹介する方法で筋交いを設置してみてください。
筋交いを入れる場所
筋交いは土台と横架材を一本で結べる場所にバランスよく設置します。
基本的には窓がある壁には筋交いを入れることができません。
また、建物全体でもバランス良く筋交いを入れることが大切です。
筋交いには幅が90mm以上、厚さが30mm以上、長さは4メートル以下の材料を使います。
筋交いの材料となる木材の長さを知る
この記事では、下図を例に筋交いを入れる方法を解説をします。
筋交いに必要な材料の長さを知る
筋交いを入れるには、Cの長さを知る必要があります。
Aが1300mm、Bが2700mmだとした場合、
A、B、の長さは一人で測る事ができますが、Cの長さを一人で測るのは大変です。
そこで、Cの長さを計算機を使って簡単に求める方法を紹介します。
Cの長さを求めるには、「三平方の定理」を使います。
三平方の定理と聞くと拒否反応が起こる方もいるかもしれませんが、簡単に解説するので安心して下さい。
「見るのも嫌だ」という方は、ココを飛ばして計算機のところから読んでいただいても大丈夫です。
上図の手順で計算した結果、Cの長さは2996.6mmとなりました。
この記事では四捨五入して2997mmとして解説を進めていきます。
iPhoneの計算機を使って簡単に長さを求める
ここまでで解説した内容をiPhoneの電卓を使って簡単にやってみましょう。
材料に墨付けをする
墨付けというのは、木材をカットする際の目印となる線を引くことです。
筋交いの施工と木殺し
筋交い材ができあがったら、筋交いを取付けます。
筋交いはピッタリの寸法で取り付けないと本来の役割を果たすことができません。
そこで木殺しという方法を使ってピッタリに収めます。
木殺しというのは、金槌で材料の角を叩いて一時的に凹ます事をいいます。
こうすることで凹んだ木は寸法がわずかに短くなり収めることが可能になります。
木殺しして収めた筋交い材は水分を吸収することで凹ませた部分が元にもどるのでピッタリとキツく収める事ができます。
最後に筋交い金物で上下を固定すれば筋交いの施工は完了です。
まとめ
筋交いは多くの場合、壁の中に隠れてしまう地味な存在です。
しかし筋交いは地震の横揺れを上下に分散させて建物を倒壊の危険から守ってくれる重要な構造材です。
DIYで施工するのは大変と思うかもしれませんが、ここで紹介したやり方を使えば初めてでも簡単に加工することができると思います。
ぜひこの記事を見ながら筋交いの施工にチャレンジしてみてください。
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