古いバイクは経年のサビや腐食によって昔の輝きを失っていきます。
特にアルミ製のパーツは腐食が進むと白くなってしまうので更にポンコツ感が増してしまいます。
この白くなったアルミパーツはピカールなどの金属磨きで磨いても輝きを取り戻す事はありません。
では諦めるしかないのでしょうか。
そんなことはありません。
表面を研磨して修繕することが可能です。
皆様もこの記事を読んでくすんでしまったパーツの鏡面仕上げにチャレンジしてみて下さい。
スチールウールと潤滑スプレーでアルミ本来の質感を取り戻す
この記事では、私が実際にYAMAHAチャピィの部品を鏡面仕上げにした内容を記事にしてみました。
このクランクケースカバーを鏡面仕上げにしていくのですが、鏡面仕上げにする過程でアルミの質感を生かした仕上げの方法を先に紹介します。
画像を見ていただけたら分かると思いますが、非常に状態が悪いです。
アルミが腐食していて表面の塗装が浮き上がってしまっています。
表面処理の剥離
アルミのパーツは表面に塗装やコーティングなどの表面処理がされています。
このような表面処理がされていると研磨作業の妨げになるので、最初にこれらの表面処理を剝いでしまいます。
まずはクランクケースカバーを車体から取外します。
ボロボロになった表面の塗装を剥離剤を使って剥がします。
これが塗装を剥がした状態です。ここから研磨して綺麗にしていきます。
サンドブラスターで表面を整える
サンドブラスターを使用しない場合は、ここの工程はとばしてください。
サンドブラスターで表面の肌を均一にならします。
サンドブラスターをお持ちの方は参考にしてみて下さい。
今回の作業ではサンドブラスターは無くても大丈夫です。
ただ、読者様が塗装や研磨を頻繁に行うという場合には、購入を検討されてみては。
私も迷って迷って迷ったのちに購入したのですが、現在では無くてはならない存在になりました。
とにかく作業が楽になります。
このような感じで均等に研磨することができます。
潤滑スプレーとスチールウールで磨けばアルミらしい質感になる!
潤滑スプレーとスチールウールで磨くとアルミらしい自然な仕上がりになります。
下がスチールウール+潤滑剤で軽く磨いた後の状態です。
表面はアルミの質感が復活していい感じになりました。
ミニポリッシャーを使えば鏡面仕上げも簡単にできる
手作業でも鏡面仕上げにすることは可能ですが、根気と時間が必要です。
しかし、ミニポリッシャーを使えば誰でも簡単に鏡面仕上げをすることができます。
ミニポリッシャーのペーパーは下のように番手を上げていきます。
#180 → #240 → #400 → #600 → #800 → #1000 → #2000
※#800~#2000は水研ぎ
製品をしっかりと固定したら一番深いキズが消える番手のペーパーを装着して研磨していきます。
今回は深いキズがあったので#180からスタートです。
ポリッシャーを使うと作業が圧倒的に早くなります。しかも楽ちん!
ポリッシャーで研磨できない部分は手作業で研磨します。
当て板を使うと細かいところまで研磨することができます。
ペーパー研磨の仕上げは耐水ペーパー#2000を使って手作業で!
ペーパーの仕上げは#2000の耐水ペーパーを使って手作業で行います。
耐水ペーパーは、水が潤滑剤の役割をしてくれます。
同じ番手でも空研ぎペーパーと比較すると表面が滑らかに仕上がります。
#2000で均等に研磨しながら深いキズがないか確認します。
#1000よりも深いペーパー目はバフ掛けで消えません。
ここでよく確認してペーパー目を消しておきます。
ピカールを使ってバフ掛けをする
お馴染み、金属磨きのピカールです。
中学校の技術工作の実習で初めてピカールを使って感動したのをよく覚えています。
ポリッシャーに布バフを装着したら、ピカールを使って磨いていきます。
一部分を磨いてみました。違いがわかるでしょうか。
きれいになると気持ちがいいです。
試しに別の金属磨き(ブルーマジック)でも磨いてみました。
私のやり方に問題があったのかもしれませんが、ピカールと比べると表面が少しくすんだ感じになってしまったのでピカールに戻して作業を再開します。
磨き込んでいくと徐々に鏡面になってきました。
コツは、一点に集中して熱をかけないように磨く事です。
ピカールの缶が映っているのが分かりますでしょうか。
最後にきれいなウエスで乾拭きをしたら、鏡面仕上げ完了です。
車体に取り付けます。
ここまで仕上げるとコーティングをしなくても、軽く拭いてあげるだけで鏡面の状態を維持することができます。
どうでしょう、最初の状態と比べると見違えるように綺麗になりましたよね。
まとめ
今回の作業では初めてミニポリッシャーを使用して作業をしました。
ミニポリッシャーを使えば根気の必要な研磨や磨きの作業が格段に楽になります。
今回のようなアルミパーツの鏡面仕上げに限らず、ヘッドライトのくすみ除去やバイクのタンクを磨くのには最適なツールと言えるでしょう。
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