キャブレターからの燃料漏れ(オーバーフロー)
前回の記事では不動のYAMAHA小型除雪機【YU240】のエンジンを始動させた後にキャブレターからのガソリン漏れを確認したところまでをお届けいたしました。
今回は、キャブレターからのガソリン漏れの原因と対処方についてのお話になります。
キャブレターからガソリン漏れを起こしている場合には、まずオーバーフローを疑います。
オーバーフローはキャブレター内のフロートという部品の異常によって発生します。
オーバーフローの原理
キャブレター内ではフロートと呼ばれる部品が浮力を利用して弁の開閉を行なっています。
このフロートに異常が起こると弁の開閉が上手くできなくなりガソリンが供給できなくなったり、供給し過ぎたりしてしまいます。
正常なキャブレターの動き
下の図は正常な動きをしている時のキャブレターの中の様子です。
ガソリンが既定の油面にあるときは、バルブが閉じてガソリンの供給を止めます。
一方でガソリンの油面が下がるとフロートと連結したバルブが開きガソリンが流入します。
そしてガソリンが既定の油面に達するとまたバルブが閉じてガソリンの供給が止まります。
こうしてキャブレター内のガソリンの量は常に一定に保たれています。
オーバーフロー
下の図はバルブに異物が詰まった状態のキャブレターの様子で、オーバーフローを起こしてしまっています。
フロートが正常に動かなかったり異物がバルブに詰まってしまうとガソリンの流入を止められなくなってしまい、その結果キャブレターからガソリンがあふれ出てしまいます。
これがオーバーフローです。
オーバーフローを起こしてしまっているキャブレターは分解清掃が必要です。
キャブレターの分解清掃
①ホールドボルトを外してフロートチャンバーを外す
②メインジェットを外す
③メインノズルを外す
④スロットルスクリュをねじ込んでからパイロットジェットを外す
⑤ハンマーで軽く叩いてフロートピンを抜く
⑥フロートピンを抜いたらフロートとニードルを外す
⑦キャブレタークリーナーと綿棒で汚れを取り除く
⑧ジェット類はクリーニングニードルを使って詰まりを除去
⑨キャブレターのボディーはパーツクリーナーを噴射して燃料ルートに詰まりがない事を確認
⑩破損した部品は交換する
今回はフロートチャンバーのガスケットが切れていたので交換します。
純正部品番号はパーツカタログで確認できます。
組み立て
キャブレターに限らず機械の組み立てを行う際は展開図を用意します。
部品展開図を見て正確に組みたてます。
キャブレターの分解清掃はこれで完了です。
キャブレターを本体に取り付けて試運転してみる
キレイになったキャブレターを取付けて試運転をします。
結果はエンジンの掛かりも良くなりオーバーフローも直りました。
慣れない作業なので不安でしたが無事にキャブレターが直ってくれて安心です。
あとは燃料ホースのクリップを留めておしまいです。
次回はベルトとプーリの整備を行いますのでどうぞよろしくお願いします。
コメント