はじめに
こんにちは、この記事では私がDIYで自宅のガレージにコメリで買った薪ストーブを設置した際のお話をさせていただいています。
薪ストーブをご自分で設置したいとお考えの方の参考にしていただければ嬉しく思います。
これまでは寒くなると石油ストーブで暖を取っていたのですが、価格の高騰や燃料となる薪が無料で手に入る環境ということもあり、以前から気になっていた薪ストーブを導入する事にしました。
設置したのは、コメリホームセンターのオリジナル商品の【薪ストーブ600】という製品です。
このストーブを選んだ理由は、私の調べた限りでは鋳物薪ストーブの中で最も安かったことが購入の決め手になりました。
コンパクトで扱いやすい薪ストーブです。
薪ストーブ【600】のスペック
暖房の目安 15~20坪用
熱効率 5kw/4300kcal
対応煙突 ⌀106㎜
サイズ 幅36㎝ × 奥行46㎝ × 高さ60㎝
重さ 約63㎏
対応薪長さ 25㎝以下
時計型薪ストーブの暖房の目安が5~7坪なので2倍以上広さの部屋を暖めることができます。
一点、気になるところは、投入できる薪の長さが25㎝以下という事です。
市販の薪は30~35㎝のものが多いのでこの辺が少し気になるところです。
薪ストーブを設置するための準備
薪ストーブの設置場所と煙突の取り回しを考える
薪ストーブには煙突があるのでファンヒーターのように簡単に動かすことができません。
なのでストーブの設置場所と煙突の取り回しを設置前によく考えてから工事を行わないといけません。
また、薪ストーブの設置には法律や条例でいくつか安全上の決まりがあります。
設置前に関係法令を確認しておきましょう。
薪ストーブの設置場所を決める
薪ストーブには排煙のための煙突を取り付ける必要があります。
煙突は屋根または壁を貫通させて室内から外に出さなければなりません。
まずは煙突をどのように室外に出すかを考えます。
- 屋根から煙突を出す方法
- 壁から煙突を出す方法
煙突を室外に出す方法は大きく分けて2種類あります。
1つは、屋根を貫通させて煙突を出す方法です。
この方法は、ストーブから煙突が真直ぐに立ち上がっているので排煙がスムーズに行われて煙突内部にすすが溜まりにくいというメリットがあり、外観もスッキリとしているので見た目にも綺麗です。
しかし、屋根を貫通する煙突工事を建築の知識がない素人が行うのは安全面や技術面でハードルが高いと言えます。
2つ目は、壁から煙突を出す方法です。
この方法は壁からでた煙突が建物の外壁を沿うように設置する形になるので外観を損ねてしまうデメリットがあります。
また、煙突を横に伸ばす箇所(横引き)があるので、すすが溜まりやすくこまめなメンテナンスが必要です。
ただ比較的施工が簡単なので、DIYで煙突を設置する場合は壁から煙突を出す方法をおすすめします。
私は屋根工事の自信がなかったので、以下のようなイメージで壁から煙突を出す方法にしました。
材料の調達
薪ストーブの設置場所と煙突の取り回しが決まったら、材料を調達しましょう。
煙突の材料は材質や造りによっていくつか種類があります。
煙突の材質
煙突の材質には素地のステンレス製と黒耐熱塗装が施されたステンレス製の2種類があります。
画像は、どちらも⌀106の450㎜のシングル直筒です。
この2種類の煙突はどちらもステンレス製で煙突の性能に差はないのですが、素地のステンレス煙突は使用につれて熱で変色します。また、見た目もレトロな感じです。
一方、黒耐熱塗装の煙突はカラーリング的にも薪ストーブ本体と一体感があり、見た目にも高級感を感じることができます。
価格は、素地のステンレス(左)が約700円に対して、黒耐熱塗装(右)が約2000円とステンレスの3倍弱の価格になります。
煙突の構造
薪ストーブの煙突には、一重の構造と二重の構造のものがあります。
一重の構造のものは、シングル煙突と呼ばれ主に室内側に使用します。
二重の構造のものは、二重煙突と呼ばれ主に屋外で使用されます。
その理由は、外気の影響を受けやすい屋外でシングル煙突を使用した場合には、煙突内の煙が急激に冷やされ結露が発生します。
また、低温の外気の影響をもろに受けるので、薪ストーブの燃焼に不可欠な上昇気流(ドラフト)を素早く生み出すことができずに煙突内で煙が停滞してしまいます。
これによりタールや煤が煙突内部に付着してしまいます。
タールや煤が煙突内部に付着するくらい問題ないんじゃないの?と思った方も多いと思います。
でも実はこの状況を放置しておくと煙道火災の原因になってしまうので注意が必要です。
上の画像はどちらも⌀106の450㎜の直筒です。
価格は、黒耐熱塗装(左)が約2000円に対して、二重黒耐熱塗装(右)は約15000円と価格の差は歴然です。
必要な部材をそろえる
煙突のタイプが決まったら煙突を延長するための部材を用意します。
煙突の太さは、薪ストーブのスペックによって違います。薪ストーブにあった口径の煙突を用意してください。
煙突の径の種類には、直径106㎜・120㎜・150㎜があります。
煙突の部材には、直筒、90度の曲り、T曲り、トップ、メガネ板などがあり、これらを組み合わせることで煙突を組み立てます。
他にも煙突を壁に固定する金具や壁面断熱のためのメガネ石が必要です。
今回使用した部材とかかった費用は、記事の最後に載せてありますので参考にして下さい。
薪ストーブの設置に関する関係法令
薪ストーブを安全に設置する上で必ず守らなければならないのが関係法令です。
関係法令の中には市町村や地域の特性を考慮したものも少なくありませんので、
お住いの地域の設置条件を良く確認した上で施行してください。
代表的なものは以下になります。
消防法第9条(火を使用する設備、器具等に対する規制)
建築基準法第115条(建築物に設ける煙突)
国土交通省 告示第225号(不燃材料でした内装の仕上げに準ずる仕上げを次のように定める件)
火災予防条例準則第1条(目的)
火災予防条例準則第6条(ストーブ)(壁付暖炉)
薪ストーブの煙突工事
室内と室外の貫通工事
煙突を出す位置が決まったら、壁に煙突を出すための穴を開けます。
穴をあける場所の周囲の内壁をはがして断熱材があればそれも取り除きます。
自在錐を使って外壁に穴をあけます。
うちのガレージはガルバリウムの壁材なので金切りはさみで切り込みを入れて微調整ができるようにしました。
メガネ石の取り付け
メガネ石は、高温になった煙突の熱を壁に伝えないようにするための断熱材です。
火災予防のための大切な部材ですので必ず取り付けます。
画像のメガネ石はモルタルと石こうボードのくずを利用して自分で製作したものです。
軽量化できるかと思い製作しましたが、メチャメチャ重くなってしまったので壁を補強して組付けました。
メガネ石は買った方が良さそうですね。
メガネ板と横引き煙突を設置
メガネ石を設置したら内壁をもとに戻して、室外側と室内側にそれぞれメガネ板を取り付けます。
メガネ板を取り付け終わったら、横引きの煙突を通します。
煙突を通したら何となく雰囲気が出てきました。
・横引きの煙突の長さは1メートル以内に!!
(1メートルより長いと排煙効率が悪くなってしまいます)
煙突の取り付け
外煙突の延長は煙突同士を差し込んで連結します。
所々に固定用の金具を設置して煙突をしっかりと固定していきます。
できるだけ複雑な形状にならないように煙突を取り回します。
曲がりが多ければ多いほど煤がたまりやすくなります。
微調整が必要の場合は直筒をグラインダーなどでカットします。
最後に煙突のトップを付けたら、外煙突の工事は完了です。
・外煙突の縦引きの長さは横引きの2倍以上の長さが必要です。
・煙突トップは軒から60cm以上離して設置してください。
※高所での作業になりますので安全対策をして作業してください。
薪ストーブの設置にかかった費用は?
鋳物薪ストーブ600(本体) 34800円 ×1
⌀106ステンレス煙突直管 798円 ×7
⌀106ステンレス煙突反直管 648円 ×1
⌀106ステンレス煙突曲管 498円 ×2
⌀106ステンレス煙突T字管 1180円 ×1
⌀106ステンレス煙突トップ 1680円 ×1
⌀106ステンレス眼鏡板 2180円 ×1
⌀106ステンレス支え脚 428円 ×3
合計 48,354円
これが薪ストーブの設置にかかった費用です。
ご自身で薪ストーブの設置をお考えの方は参考にしてみて下さい。今回はメガネ石を自作したのでメガネ石の金額は含んでおりません。
メガネ石も購入する場合は上記の金額に約5000円をプラスして考えてみてください。
まとめ
DIYで薪ストーブを設置する際は、法律や条例を遵守のうえ施工してください。
また、高所での作業を伴いますので安全対策をしたうえで2名以上での作業が望ましいと思います。
うまく設置ができたら本格的に使用する前に慣らし運転を行ってください。
慣らし運転については下の記事を参考にしてみてくださいね。
煙突を壁出しにする工法は比較的かんたんですが、施工途中で不安を感じた場合は専門の業者に相談しましょう。
コメント