サンドブラスターで使用する砂をメディアと言い、アルミを粉末状にした「アルミナ」やガラスを粒状にした「ガラスビーズ」が有名です。
しかし、これらは価格が高くコストを抑えてサンドブラストを導入したい方には非常に悩ましい問題になるはずです。
そこでこれらの代わりになるメディアはないものかと探したところ珪砂にたどり着きました。
珪砂は安価であるのに研削力にも優れていてコスパが良いメディアなのですがいくつか注意すべきところもあるので記事にまとめてみました。
「珪砂」ってどんなもの?
珪砂は、石英と言う鉱物(石)が砕けてできた砂のことで、ガラスの原料のひとつでもあります。
身近なところでは、芝生の目砂やインターロッキングの目地の他、床の滑り止めの塗装などにも用いられています。
珪砂の号数
珪砂には粒の大きさで号数が分けられています。
粒の大きさは、おおむね以下のとおりで号数が上がるにつれて砂の粒度は小さくなります。
号数 | 2号 | 3号 | 4号 | 5号 | 6号 | 7号 | 8号 |
粒の大きさ | 3.0㎜ | 1.2㎜ | 0.6㎜ | 0.5㎜ | 0.3㎜ | 0.2㎜ | 0.1㎜ |
今回は、5号と7号の珪砂を使ってみた感想を紹介したいと思います。
5号の珪砂は粒子の大きさが約0.5㎜と比較的大きめなので吸い上げる際には少し重さを感じるかもしれません。研削力は強く、一粒ごとの破壊力を感じました。
5号の珪砂は、塗装の剥離や鉄製品のサビ落としに有効です。
7号の珪砂は粒子の大きさが0.2㎜と比較的小さめなので吸上げはスムーズに行えますが、5号の珪砂にくらべると研削に時間がかかります。しかし研削面を滑らかに仕上げることができます。
7号の珪砂は、アルミ製品などの比較的柔らかい金属の表面処理に適しています。
このように珪砂の号数によって使用感も大きく変わってくるので、ご自身の用途に応じて珪砂の号数を選定してみて下さい。
90Lのキャビネットタイプなら25㎏の珪砂を全部入れても大丈夫です。下の画像は25㎏すべてを入れた状態です。
珪砂を使用する際の注意点!
珪砂をメディアとして使用する際は粉塵を吸引してしまわないように十分に気を付けて作業を行ってください。
これは珪砂に限った事ではありませんが、サンドブラストで使用するメディアは製品に投射されると細かく粉砕されて粉塵となります。
長期にわたってこの粉塵を吸引してしまうと健康被害をもたらす場合があるのでサンドブラスターを使用する時は必ず粉塵対策を行いましょう。
粉塵対策にはサンドブラスターに集塵機を接続する方法がおすすめですが、手軽に防塵対策ができる防塵マスクでも安全に作業をすることが可能です。
まとめ
今回は珪砂をメディアにしてサンドブラスターを使用してみました。
結果は、申し分ない仕上がりになった上に、一般的なメディアの5分の1の価格で作業を行うことができてとても満足しています。
記事中にも記載しましたが、ブラスト中に発生する粉塵は有害な物質を含んでいますので防塵対策は必ず行ってください。
サンドブラスターの種類によっては密閉が十分ではないものもあります。隙間から粉塵が漏れるような場合にはサンドブラスターの本体を改良してから使用するとよいでしょう。
サンドブラスターの改良に関しては下の記事を参考になさって下さい。
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