古いバイクや車のメンテナンスをしていると錆びたパーツを磨く作業がつきものです。
こんな時はサンドブラスターがあるととっても便利です。
サンドブラスターは比較的単純な構造をしていますので、自作でサンドブラスターを作っている方も多くいらっしゃいます。
しかし、自作するにあたって必要な材料費や労力を考えるとお世辞にも安いとは言えないコストがかかってしまいますし、砂が漏れるなど完成した時のクオリティーも保障されるものではないのが現実です。
そのような事をふまえると、これから紹介する既製品のサンドブラスターを購入し、そのサンドブラスターを改良して使用するほうが快適に使用できるでしょう。
もちろん創作が目的と言う方や、自分で作ったものを使いたいという方を否定するものではありませんので、そこはご理解ください。
この記事では、90リットルのサンドブラスターを改良して快適に使う方法を紹介します。
サンドブラスターの導入を検討されている方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
サンドブラスターとはどのようなものなのか?
サンドブラスターは、空気の圧力で砂を吹き付けて対象物の表面を削る道具です。
錆びた部品のサビ落としや塗装する前の足付けに、
ガラスに吹き付ければ、すりガラスのように模様を描いたりできます。
細かい部分まで表面を研磨処理できるのが特徴です。
サンドブラスターは、単体では動作することはできず圧縮空気を作りだすエアーコンプレッサーとセットで使用します。
主に落下式、直圧式、キャビネット式があり、それぞれの特徴は以下のとおりです。
落下式
落下式のサンドブラスターは、ハンドガンタイプの製品が多くほかのサンドブラスターに比べて手軽に使うことができます。
ガンの上部に付いたタンクにメディアを入れることで、砂時計の原理で落下してきたメディアを圧縮空気で吹き付けます。
直圧式と同様でメディアは使い捨てになります。
タンク容量が小さいので大きい面積を処理する場合には頻繁にメディアの補充を行わなくてはなりません。
直圧式

消火器のような形ですがこちらが直圧式のサンドブラスターです。
ボンベ型の容器の中にメディアを入れて使用します。
キャビネット式のサンドブラスターに収まりきらないパーツを直接ブラストできます。
メディアを循環使用できないので使用するたびにメディアのコストがかかります。
キャビネット式

サンドブラスターと聞いてパッと思い浮かべるのは、この形ではないでしょうか。
ブラストできるパーツの大きさはボックスに収まるサイズに限定されてしまいますが、周囲を汚さずに作業できるのが特徴です。
この記事では、このキャビネットタイプのサンドブラスターに焦点をあててお話させていただきます。
キャビネットタイプのメリットとデメリット
世の中のものには少なからずメリットとデメリットがあります。
サンドブラスターも同じです。
ここからはサンドブラスターのメリットとデメリットについてのお話です。
キャビネット式のメリット
- 循環式なのでメディア(砂)が減らない
- 粉塵が舞わないので健康被害が無い
- 作業場が汚れない
落下式や直圧式のブラスターと違いキャビネット式のサンドブラスターは、メディア(砂)を循環して使用するので一度導入してしまえば後のコストがほとんどかかりません。
また、密閉空間で作業することから研磨した際に出る削りカスやメディア(砂)が宙を舞うことがありません。
よって、この粉塵を体内に吸引することもなく、作業場も汚すことがありません。
キャビネット式のデメリット
- 場所をとる
- 集塵機が必要であったりと、落下式や直圧式に比べて初期の費用が高い
- 処理できる大きさはボックスに収まるサイズに限定される
一番のネックは場所をとるという事ではないでしょうか。
日常的に使う道具ではないので、使わない時の置き場所は工夫が必要です。
他のタイプのサンドブラスターと比較すると集塵機が必要になったりと初期費用が高く感じるかもしれませんがメディアを使い回せるので使用頻度の多い方は将来的にはお得になります。
もう一点は、処理できるパーツの大きさはボックスに収まるサイズに限定されます。
ここまでサンドブラスターについての基本的な仕様について説明してきましたが。
ここからは、実際に購入したサンドブラスターについて具体的に解説していきます。
サンドブラスターは手直ししてから使用する
サンドブラスターは、買ってそのまま使用することができないと思っていた方がよいでしょう。
なぜなら、この手のサンドブラスターの完成度はあまり高くないからです。
その中でも一番気になるのがパネルとパネルの隙間からメディアが噴き出してしまう事です。
致命的な欠陥と思ってしまいますが大丈夫です。
少しの手直しで劇的に変化します。
ここからはサンドブラスターのどこを手直しすれば良いのかを具体的に解説していきます。
3つの手直しでサンドブラスターを快適に使う
手直しをする箇所は以下の3つです。
- パッキンの交換
- 集塵機の接続
- ガラスフィルムの貼り付け

価格的に仕方がない部分もありますが、このタイプのサンドブラスターは造りが雑です。
上の画像を見ていただけると分かるのですが、隙間が開いていたり謎の金属片が付いていたりします。
このように隙間があいた状態で使用してしまうと周囲は砂だらけになってしまいます。
また、粉塵を吸い込めば健康にもよくありません。
そこで、はじめから付いている薄っぺらなパッキンを剥ぎ取って厚いパッキンに取り換える作業をします。
本体の接合部分のパッキンを交換する

ホームセンターで入手したゴムスポンジです。

サンドブラスターの底板を外して、パッキンを交換します。

次にふたとの密閉度を高めるために黄色の部分にパッキンを貼り付けます。

アクリルのふた側に付いているパッキンはそのまま使用します。
これでのぞき窓の隙間から粉塵が出ることはなくなりました。
集塵機を接続する

背面の排気口を改良して集塵機を接続できるようにします。

50ミリの塩ビ管との隙間を塞ぐためにゴムパッキンを巻き付けます。

50ミリの塩ビ管を接続したら集塵機との接続部の完成です。

あとはお手持ちの集塵機に合うように接手を使って調整して完了です。

ガラスフィルムの貼り付け
キャビネット式のサンドブラスターには窓が付いています。
この窓は透明なアクリル板でできているのですが、使用していると徐々に細かなキズが付いて白くなってきます。
そこで、付属のアクリルシートをこの窓に貼り付けて本体の窓を保護するのですが、付属のアクリルシートはあっという間に白くなってしまうので頻繁に交換が必要になります。
そんな時はスマートフォン用のガラスフィルムをアクリル板に貼り付けるのがおススメです。

ご覧のようにフィルムを貼った部分だけ透明度が保持されています。
もちろん永久的にキズが付かないわけではありませんが、アクリルシートに比べて視界が保たれる時間は圧倒的に長くなります。
しかも100円ショップで入手できるので経済的です。

300円商品ですが、視界を大きく確保できるタブレット用のフィルムはさらにおススメです。
ここまでやれば安価なサンドブラスターでも格段に使いやすくなります。
あとは、実際にメディアを装填して使ってみましょう。
まとめ

この手のサンドブラスターは外国で製造されている事もあって造りが少し雑です。
しかし、ほんの少しの手直しや改良を加える事でとても使いやすいサンドブラスターになります。
おそらくこのタイプのサンドブラスターは同じ工場で作られていて、販売元によって少し付属品を変えてみたり少しの改良を加えて販売しているのでしょう。
現にアストロさんの店頭にあるサンドブラスターもこの記事で紹介した製品と作りが同じであったからです。
この手のサンドブラスターを快適に使うには購入後に少しの改良が必要なので価格の低い製品を購入するのが賢い買い方であると言えるでしょう。
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