車を所有している方ならわかると思いますが、車を維持していくには様々な費用がかかりますよね。
中でもメンテナンスにかかる費用は大きく、そのほとんどは工賃というのが現実です。
そんなメンテナンスを自分で行ったとしたなら、工賃をそっくりそのまま節約することが可能になります。
もちろん比較的簡単なメンテナンスということが前提になりますが自分でできるメンテナンスは多くあります。
その中から今回はブレーキパッドの交換を記事にさせていただきましたので、交換の際の参考にされてみてはいかがでしょうか。
実はブレーキパッドの交換はそれほど難しい作業ではありません。
作業の難易度は以下のような感じです。
- 『★☆☆☆☆』 タイヤ交換
- 『★☆☆☆☆』 ブレーキパッド交換
- 『★★☆☆☆』 オイル交換
- 『★★★☆☆』 ファンベルト交換
ブレーキパッドの交換にかかる費用は純正部品を使用した場合で部品代が約10,000円、交換工賃が約6,000円、あわせて16,000円ほどになります。(エリシオンの場合)
社外部品を使って自分で交換した場合は部品代しかかかりませんので約1万円の出費を抑えることができます。
結構大きな金額ですよね。
しかも一度仕組みを理解したうえで交換作業ができるようになれば、今後ブレーキパッドを交換するごとにこの金額を節約できますのでとっても役に立つ知識になります。
エリシオンのリアブレーキパッド交換
![エリシオンブレーキパッド交換](https://garage-cafe.net/wp-content/uploads/2023/03/4016ba0e7d43f304aceab6d88637ddf9.jpg)
作業前に準備するもの
作業前に準備しておくものは以下のとおりです。
・新品のブレーキパッド
・ブレーキシム用グリス
・サンドペーパー(#240くらい)
・パーツクリーナー
・12ミリのメガネレンチ
ブレーキパッドは車種、年式、フロントとリアで適合が違いますので良く確認してから入手します。
![](https://garage-cafe.net/wp-content/plugins/pochipp/assets/img/pochipp-logo-t1.png)
ブレーキシム用のグリスはブレーキの鳴きを防止するために使用します。
![](https://garage-cafe.net/wp-content/plugins/pochipp/assets/img/pochipp-logo-t1.png)
サンドペーパーはサビを落としたり新品のパッドの角をとるのに使います。
まずはタイヤを外します
①ジャッキアップしてタイヤを外します。
![エリシオンリアブレーキ](https://garage-cafe.net/wp-content/uploads/2023/03/5567ba48ab141f0d29cdbe0e354789d3.jpg)
古いブレーキパッドの取外し
②矢印のボルトを緩めてシリンダーボディーを外します。
ブレーキパッドはシリンダーボディーの中に入っています。
![ブレーキパッド交換](https://garage-cafe.net/wp-content/uploads/2023/03/6ca77ba687f7321f7bc6120de9aed899.jpg)
③ブレーキホースを傷めないようにシリンダーボディーは吊り下げておきます。
ブレーキパッドが見えてきました。
![ブレーキパッド交換](https://garage-cafe.net/wp-content/uploads/2023/03/83327c7f151812939e86d30be2e6b2ad.jpg)
④表側と裏側の古いブレーキパッドを取り外します。
ブレーキパッドは矢印の方向にスライドさせて外します。
![ブレーキパッド交換](https://garage-cafe.net/wp-content/uploads/2023/03/3d3b6eb66dafd7493cbec3bdb1908efa.jpg)
新しいブレーキパッドにシムを付け替える
古いパッドのシムを新しいパッドに付け替える作業を行います。
![ブレーキパッドシム](https://garage-cafe.net/wp-content/uploads/2023/03/b29df9611682e4a9ec81c039caf6e911.jpg)
ブレーキパッドにはシムと呼ばれる薄い金属製のプレートが付いています。
シムは、車がブレーキをかけた時に発生する熱が直接キャリパーピストンに伝わるのを防ぐ断熱材の役割をするほか、シム用のグリスを塗布することでローターから伝わる振動をやわらげてブレーキの鳴きを防止する緩衝材の役割も果たしています。
①古いパッドからシムを外す。
![ブレーキパッドシム](https://garage-cafe.net/wp-content/uploads/2023/03/13667bf19b294216b96a37d4f0d2ca2e-rotated.jpg)
②外したシムをパーツクリーナーで洗浄する。
しつこい汚れやサビはサンドペーパーで表面を滑らかにします。
![ブレーキパッドシム](https://garage-cafe.net/wp-content/uploads/2023/03/082c32e6f4381e15e8747190647e7fcc.jpg)
③ブレーキシム用グリスを必要箇所に塗布します。
グリスは薄く塗る程度でOKです。
![ブレーキパッドシム](https://garage-cafe.net/wp-content/uploads/2023/03/7aa5db5a80dd24d333aaa085ac323cff.jpg)
ローターに接触する部分には絶対にグリスを塗らないように注意して作業します!
![ブレーキキャリパー断面図](https://garage-cafe.net/wp-content/uploads/2023/03/780d6767592c857074e9d08f7f293b7c.jpg)
ブレーキパッドを装着する
①新しいブレーキパッドの準備ができたら、キャリパーにセットします。
![ブレーキパッド装着](https://garage-cafe.net/wp-content/uploads/2023/03/45e104276ed01fc090f9e001b58f59f2.jpg)
②キャリパーピストンを押し下げる
ここでキャリパーボディーを装着するのですが、ブレーキパッドの厚みが増しているのでそのまま装着しようとしてもピストンが当たって装着できません。
そこで増した厚み分だけピストンを引っ込めてあげます。
専用の工具を使うか、頑張って握力で押しさげます。
![キャリパーピストン](https://garage-cafe.net/wp-content/uploads/2023/03/8ab8f97251f9080ff2033fffdc6bf36f.jpg)
![](https://garage-cafe.net/wp-content/plugins/pochipp/assets/img/pochipp-logo-t1.png)
③キャリパーボディを装着する
上下2か所のボルトを締めてキャリパーボディを固定します。
![キャリパーボディーの装着](https://garage-cafe.net/wp-content/uploads/2023/03/35789e8fa9b63925de4602556b10dec8.jpg)
④タイヤを装着してブレーキペダルを数回踏む
パッド交換後はキャリパーピストンとパッドの間に隙間ができるのでブレーキペダルを数回踏んでこの隙間をなくします。
隙間がある状態でブレーキをかけると「スカーッ」とブレーキが空振り状態になってしまい危険です。
![タイヤの装着](https://garage-cafe.net/wp-content/uploads/2023/03/48b4e0e1bcef0350ebfb1ed10a00e3f5.jpg)
ブレーキパッドにあたりを付ける
![ブレーキパッドにあたりを付ける](https://garage-cafe.net/wp-content/uploads/2023/03/c841af6b8150968541fca892385c3d6c.jpg)
あたりを付けるというのは馴染ませる事と思っていただいて結構です。
レコード盤のように微妙な凹凸があるブレーキローターに対して新品のブレーキパッドは表面がまっ平なのでローターと馴染ませる必要があるのです。
この作業はとても大切でブレーキパッドとローターが馴染んでいない状態では摩擦力が得られないため制動距離が長くなってしまい非常に危険な状態なのです。
地味な作業ではありますが、安全のために重要な作業ですのでしっかりと行います。
安全な場所で低速走行と停止を繰り返し行います。
この時、パッドをローターに優しく押し当てるイメージでブレーキをかけます。
はじめは「キー」と音がすることがありますが徐々に音がしなくなります。
ブレーキパッド交換のまとめ
![まとめ](https://garage-cafe.net/wp-content/uploads/2022/12/c7887a92414f854a9067849a51b9bb02.png)
ブレーキパッドは1万キロ走行すると約1ミリ薄くなります。
新品のパッドは約10ミリの厚さがあり単純計算では10万キロ走行できることになりますが、ブレーキパッドは最後の1ミリまで使い切れるというわけではなく、残り3~4ミリになったら交換が必要になります。
次回の交換は5年後又は、5万キロの走行を目安に交換を検討してください。
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