【コメリオリジナル薪ストーブ600型】どんなストーブ?
この記事では、全国にホームセンターを展開しているコメリのオリジナル商品の鋳物薪ストーブ600を3年間使用してみた感想を書いたものになります。
薪ストーブの導入を検討されている方の参考にしていただけると幸いです。
薪ストーブ600型の仕様
・15~20坪用
・煙突サイズ 106㎜
・二次燃焼機能付き
・出力 5㎾(4300Kcal)
・燃焼効率 70%
・対応薪長さ 直径~10㎝・長さ~25㎝
・重量 63㎏
・本体サイズ 幅36㎝×奥行46㎝×高さ60㎝
薪ストーブ600の魅力を感じる部分
1,コンパクトなところ
2,値段が安いところ
3,鋳物でできているところ
私の趣味はガレージで遊ぶ事なのですが、冬場はとても寒く気温が0℃の時もあります。
当然そんな環境で楽しい遊びなどできませんので、石油ストーブを焚いて暖をとるのですが、近年の灯油価格の高騰により暖房費が馬鹿にできなくなってきました。
そこで考えたのが薪ストーブの導入です。
当初は、予算のこともあってステンレス製の時計型薪ストーブの導入を考えていたのですが、店頭で薪ストーブ600を見つけて一目ぼれしてしまいました。
理由は、薪ストーブ600型は鋳物製でありながら4万円を切る価格で販売されていることでした。
鋳物製の薪ストーブと聞くと10万円以上する高価なイメージだったので驚きました。
しかも、これだけコンパクトな本体でありながら時計型薪ストーブの2倍以上の暖房能力があるのが魅力です。
ちょっと残念なところ
薪ストーブ600型のちょっと残念なところは、使用できる薪の長さが25㎝以下というところです。
一般に販売されている薪の長さは30~35㎝ですが、これをそのまま使用する事ができないのです。
25㎝以下の薪を取扱っている店が家の近くにない場合には不便を感じるかもしれません。
600型の導入を検討されている方はこの辺の事情も考慮して機種を選定すると良いと思います。
【薪ストーブ600】の暖房効果はどれくらいか?
仕様書にあるように薪ストーブ600は15坪~20坪用です。
この薪ストーブをスペックギリギリの20坪のガレージで使用した場合、どれくらいの暖房効果が得られるのかを下に記しましたので参考にしてください。
気温による暖房効果の違い
気温が10℃くらいの時はしっかりと室内を温めてくれる暖房力があります。外気温に負けずにしっかりと室温を上げてくれる感じです。
気温が5℃くらいになると、なかなか室温を上げることができなくなり、ゆっくりと室温を上げていく感じです。ストーブの火力が弱くなると外気に負けてしまう感じがします。
気温が0℃くらいになると、ほぼ室温の上昇は期待できなくなります。ストーブの周囲は暖かいですが室内を温める速度よりも外気によって冷やされる速度が勝ってしまう状態になります。室温の上昇は見込めません。
このようにガレージのような気密性、断熱性の低い建物で【薪ストーブ600型】を使用する場合には少し力不足を感じる場合があるかもしれません。
住宅などの気密性の高い場所で使用する場合には15~20坪
ガレージなど気密性の低い場所で使用する場合には、10坪程度が限界
【薪ストーブ600型】の燃料費はどれくらいかかるの?
薪ストーブの燃料費は意外に高くつきます。
では、実際にどれくらい燃料費がかかるのか検証してみましたのでみて下さい。
市販の薪1箱でどれくらい運転できるの?
今回は皆さんがイメージしやすいように、市販の薪を1箱(約600円)を用意して、その薪で何時間【薪ストーブ600】を安定した温度で運転できるかを検証してみました。
結果は、燃焼温度を300℃に保った状態で4時間の運転をする事ができました。
1時間当たりの燃料費は下のとおりです。
今回の実験では薪ストーブ600型の1時間当たりの燃料費は150円という結果になりました。
【薪ストーブ600型】を使う上での注意点
薪ストーブに水は厳禁
薪ストーブでお湯を沸かしたり調理をしたりする際には、水などをかけないように注意が必要です。
運転中の薪ストーブに水かけてしまうと、急激な温度の変化に弱い鋳物薪ストーブは、割れてしまう事があります。
鋳物は高温に強く蓄熱性も高いですが、急激な温度変化や衝撃には弱いという特徴を持っています。
薪はしっかりと乾燥させてから使う
これは【薪ストーブ600】に限った事ではないのですが、薪ストーブに使用する薪は充分に乾燥させた薪を使用しましょう。
市販の薪は乾燥した状態で販売されていますが、自分で割った薪は2年くらい乾燥する期間が必要です。
乾燥が不十分な薪を燃やすと煙が大量に発生して近所迷惑にもなりますし、煙突内にすすやタールを多く付着させてしまい煙突内部を著しく汚してしまいます。
結果として煙道火災を誘発してしまう恐れがありますので、薪は十分に乾燥させてから使用しましょう。
接着剤の付いた廃材を燃料にしない
合板や集成材などの建築材料は薪として使用する事は好ましくありません。なぜなら接着剤が使われているからです。
接着剤を使用した建築材料は一気に高温で燃焼する特性がありますので、薪ストーブの温度を急激に上昇させてしまいます。
これは急激な温度変化が苦手な鋳物製薪ストーブに大きな負担を与えてしまうので薪として使用することは好ましくありません。
また、接着剤が燃焼すると化学物質が発生します。その化学物質が煙突内部に付着して堆積し続けると煙道火災を誘発する原因にもなります。
針葉樹の薪
松などの針葉樹は脂分を多く含んでいるので勢いよく燃焼します。その脂分が燃焼する際にタールが発生して煙突内部を汚してしまう原因になります。
このような事から針葉樹の薪の使用を禁止している薪ストーブも多くあります。
コメリオリジナルの薪ストーブでは特に針葉樹の薪の使用を禁止していませんので普通に使用できますが、薪の種類によっても特徴があるという事を知っておくと良いかもしれません。
シーズンの初めは煙突のメンテナンスが必須
煙突の内部の汚れは外観から知ることはできません。なので、ついつい煙突掃除はおろそかになりがちですが、1シーズン使用した煙突はすすやタールで確実に汚れています。
特にストーブ本体に近い横引きの煙突部分では、煙突の内側に厚さ3センチ程のすすが付着していることがありますので、煙道火災を起こさないためにも最低でも1シーズンに1回は煙突掃除を行います。
薪ストーブを普通に使っていても煙突には徐々にすすが付着していきますが、すすが付きやすい使い方としては、以下のような事が主な原因としてあげられます。
・薪の乾燥が不十分
・合板などの接着剤が使用されている建材を燃料にする
・針葉樹の薪を使う
・シングル煙突
まとめ
薪ストーブはとても手間のかかる暖房器具です。便利さを求める方にはあまり向いていません。
これから薪ストーブの導入を検討されている方はメインの暖房器具は他に用意して、薪ストーブは趣味の道具として導入する事をおすすめします。
薪ストーブをメインの暖房器具にしてしまうと、薪割りや煙突掃除などの作業が仕事に思えてしまいます。しかし趣味だと思えば薪割りや煙突掃除もやりたいときにやれば良いので、きっと楽しく行えるでしょう。
最後に
使い始めてから3年が経ちますがコメリのオリジナル薪ストーブは低価格でありながら必要十分な性能を発揮してくれる高コスパの薪ストーブです。
入門用として初めての薪ストーブに最適かもしれません。
私は割とアバウトに使用していますが、不具合も無くしっかりと仕事をしてくれる頑丈な薪ストーブだと思っています。
薪ストーブは心を癒してくれるとても素敵な物です。読者の皆様にはこの記事をきっかけに薪ストーブのある暮らしを楽しんでいただけたら嬉しく思います。
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