エアーコンプレッサーがあればいろいろなエアーツールが使えるから、趣味のDIYの幅が広がると思うんだけど、どんなエアーコンプレッサーを選んだらいいんだろう?
ひとくちにコンプレッサーといっても小さい物から大きな物まで様々あります。
また、小さくてもパワーのある物もあれば、大きいけれどパワーがないものもあったりと、コンプレッサーを選ぶのは難しいかもしれません。
ホームセンターに行けば数種類のコンプレッサーがありますが、どれを選んだら良いのか分からないのが正直なところかと思います。
そこでこの記事では、家庭用100V電源で使用可能なコンプレッサーの中で最強との呼び声が高い6機種をピックアップし、これらを徹底的に比較したいと思います。
家庭用のコンセントで使用できる最大の電流は15A(アンペア)です。
これは定格容量で【1500W】となり、【1.5KW】や【2馬力】と表記されている場合も同じ意味合いになります。
この記事では家庭用コンセントで使用できるMAX規格のコンプレッサーを紹介し比較していきたいと思います。
1500W 1.5KW 2馬力
メーカーによって出力単位の表記に違いがありますが、上の3つの出力はどれも家庭用コンセントで使用できる限界の数値です。
【2馬力】のエアーコンプレッサー比較表
コンプレッサー選びは何を重視したらよいのか?
コンプレッサーを選ぶときに一番大切なことは、使いたい道具が動かせるかどうかです。
例えば、インパクトレンチでタイヤ交換をしたいと考える人であれば、インパクトレンチを使えるだけの力をもったコンプレッサーを選ぶ必要があります。
すなわち上記のような例なら最高使用圧力と空気吐出量が重要となります。
このように使う方が何がしたいかによって重視するものは変化します。
①重量
②タンク容量
③騒音値
④最高使用圧力
⑤充填時間
⑥空気吐出量
①重量
コンプレッサー本体の重さは、タンクの大きさや材質それに電動機の大きさによって変化します。
今回比較する機種はすべて車輪とハンドルが装着されているタイプなので容易に移動することが可能ですが、重量のあるコンプレッサーを設置する際は床の耐久性が十分にあるか確認が必要です。
②タンク容量
タンク容量は、圧縮空気をどれだけ溜めることができるかを表していて単位はリットル(L)です。
タンク容量が大きいと一度の充填で使用できる時間も長くなり、逆にタンク容量が小さいと頻繁に圧縮機が動くことになります。
※タンク容量が40Lを超えるものは第2種圧力容器の定期自主検査の対象となります。
エアードリルなどの回転式工具やサンドブラスターは大量の圧縮空気を使うのでタンク容量が大きいとストレスなく使用できます。
ただし、タンク容量はサーサブタンクを接続することで増やすことができるので用途に応じてサブタンクを使用するのも良いかもしれません。
③騒音値
騒音値は、コンプレッサーの電動機が動いている時の音の大きさを数値化したものです。単位はデシベル(db)で表します。
騒音値の目安は下の表を参考にして下さい。
比較表の数値はコンプレッサーから1m離れたところから計測した値です。
④最高使用圧力
最高使用圧力は、そのコンプレッサーが作り出すことができる圧縮空気の最高圧力値をいいます。
最高使用圧力の高いコンプレッサーほど使用することができるエアーツールの幅が広がります。
スプレーガン塗装なら0.2~0.3Mpaあれば良いですが、エアーインパクトレンチでは0.6~0.8Mpaが必要とされています。
また、タンク容量が同じ場合、最高使用圧力が高いコンプレッサーの方が使用できる時間が長くなります。
⑤充填時間
充填時間は、タンクが空の状態(0Mpa)からタンクが満タン(最高使用圧力)に到達するまでにかかる時間をいいます。
充填時間はタンク容量と最高使用圧力によっても変化します。
例えば、A、Bと2種類のコンプレッサーがあり、どちらも30Lのタンク容量で充填時間が120秒だったとします。
Aのコンプレッサーの最高使用圧力は1.0Mpa
Bのコンプレッサーの最高使用圧力は0.8Mpaだった場合、
A,Bともに同じ時間で同じ量の圧縮空気を作り出すことができますが、Aのコンプレッサーの方がより高い圧力で空気を圧縮できていることになるので、Aのコンプレッサーの方が高性能なコンプレッサーだといえます。
比較表を見る際はその辺も考慮してご覧になってください。
当然ですが、充填時間が短いほどストレスなく作業ができます。
⑥空気吐出量
空気吐出量は、コンプレッサーが作り出せる圧縮空気の量をいいます。
ただし、空気吐出量で比較する際には注意が必要です。
比較表では1分あたりに何リットルの圧縮空気を作り出せるかを数値にしてありますが、これはタンク内にどれだけの圧力がかかっているかで数値の意味が大きく違ってくるからです。
空気吐出量が100L/分と記載されたコンプレッサーがAとBの2種類あったとします。
Aのコンプレッサーは0.6Mpaの時に100L/分の空気吐出量です。
(0.6Mpaの圧力がかかった状態で100Lの圧縮空気をタンクに詰め込んでいる)
Bのコンプレッサーは0Mpaの時に100L/分の空気吐出量でした。
(圧力がかかっていない状態で100Lの圧縮空気を詰め込んでいる)
この場合、Aのコンプレッサーの方がBのコンプレッサーより空気吐出量が多いと言えます。
浮き輪を思い浮かべてみて下さい。
しぼんだ状態の浮き輪は簡単に空気を吹き込むことができますが、膨らんだ状態の浮き輪に空気を吹き込むのは大変ですよね。
このように各メーカーによって空気吐出量を計測する条件が違うので、そのコンプレッサーが何Mpaの時に計測した数値なのかをよく確認する必要があります。
空気吐出量の多いコンプレッサーを選ぶならこの機種がおススメ!
メーカーごとのコンプレッサーの紹介
ここからは、比較表にあるコンプレッサーを1台ずつ見ていきたいと思います。
同じ2馬力(1.5㎾)のコンプレッサーですが、各製品によってけっこう違いがあります。
それぞれのコンプレッサーの特徴を見ていきましょう。
SK‐11(藤原産業)
こちらのコンプレッサーの最大の特徴は、最高使用圧力が1.0Mpaとハイガー産業のHG-DC991ALと並び、家庭用のコンプレッサーの中では最高の圧力を発生させることができるのが特徴です。
騒音値67㏈と低騒音を実現している点も魅力ですね。
また、空気吐出量は多ければ多いほど高性能と言える数値なのです。
多くのメーカーが吐出量を多く見せるためにタンクが空(0Mpa)状態の空気吐出量を表記しているのに対して藤原産業のSW-231は空気吐出量の数値を0Mpa、0.45Mpa、0.6Mpa、1.0Mpa時と細かく表記しています。メーカーの自信を感じますね。
こういった部分からも信頼できるメーカーであることがうかがえます。
他のメーカーでは電動機を2機搭載しているモデルが多いですが、SK11では電動機を1機にすることでコスト削減をはかっているのだろうと思いますが、これだけのスペックでありながらこの価格を実現しているのは驚きです。
耐久性に関しては未知数ですが、信頼できるメーカーで保障やアフターサービスが充実していることを考えれば賢い選択になると思います。
アストロプロダクツ
みんな大好き、アストロプロダクツから発売されているハイスピードコンプレッサーです。
その名のとおりエアーの充填時間が1分45秒と他のコンプレッサーとくらべて非常に早く充填できるのが魅力のコンプレッサーです。
艶のあるブラックのボディーは、置く場所の雰囲気を壊すことなく自然に溶け込んでくれること間違いありません。
気になる点は、他の製品と比較すると騒音値が88dbと大き目ということでしょうか。
住宅地や夜間の使用をお考えの方は注意が必要です。
逆に、騒音値は気にしないという方にとってはコスパの良いコンプレッサーになるでしょう。
このクラスのコンプレッサーがこの価格で購入できるというのは非常にありがたくコスパの良い製品といえるでしょう。
HAIGE(ハイガー産業)
比較表を見ていただけたら分かりますが、HG-DC991ALは最高使用圧力、空気吐出量ともに非常に高性能でハイスペックなコンプレッサーです。
また、デザイン性においても液晶デジタルモニターを採用し、タンクの材質をアルミにすることで軽量化と防錆性を実現するなど、他のメーカーには無い独自の進化を遂げているコンプレッサーといえます。
おそらく今回の比較機種の中ではスペック的にもデザイン的にも、このコンプレッサーが一番の人気機種になるのではないかと思います。
他の機種にくらべると少し価格は高めになりますが、セールの時に購入するなどチャンスがあれば是非手にしたい一台です。
88HOUSE
こちらの製品はDIY用というよりも業務用に近い製品といえます。
タンク容量も70Lで、このクラスでは最大の容量を誇り、一度にたくさんのエアーを使いたい方には良いコンプレッサーです。
さらに70Lのタンクを約4分で満タンにするなど充填スピードも申し分ない速さになっています。
静音性に関しても72dbと、70Lサイズのコンプレッサーとは思えない静かさです。
こちらの製品は、一回の充填で多くの空気を使用できる機種をお探しの方にはうってつけの製品です。
注意点としては、サブタンクの接続不可という事です。メーカーホームページに「サブタンクは接続しないでください」と記載があります。
家庭用のコンプレッサーで70Lもタンク容量があれば大抵の作業はストレスなく行えると思いますが、サブタンクの使用をお考えの方は他を検討された方が良いかもしれません。
また、こちらの製品はタンクの容量が40L超なので第2種圧力容器の定期自主検査の対象となります。
1年に一回定められた時期に以下の項目について自主検査を行い、その記録を3年間保存しておく必要があります。
イリイ
イリイのコンプレッサーは、静かさを重視する方におすすめです。
このコンプレッサーの凄いところは、静かでありながらパワーとスピードを兼ね備えているところです。
電動機を2機搭載した4気筒なので39Lのタンクも2分以内に充填することができるトップクラスの空気吐出量を誇ります。
インパクトレンチを使ったタイヤ交換やスプレーガンを使った塗装など作業の幅が広がる1台になるでしょう。
2機の電動機はそれぞれ切り替えスイッチの操作により単体で動かすことができ、単体で動かした場合はより静かに運転することが可能です。
ONE STEP
電動機を2基搭載した4気筒のマッチョなスタイルのコンプレッサーです。
こちらの製品を購入するとエアダスター、エアホース、手袋が付属品としてついてくる他、初めからエアドライヤーが装着されているのでお得感は満載です。
個人的に要注目のコンプレッサーではありますが、今のところ製品情報が少なかったので正確な比較ができませんでした。
騒音値が85dbと大きいのが少し気になりますが、50Lのタンクを搭載するなどスペックの割に本体価格が低く設定されているところが魅力の1台です。
こちらのコンプレッサーはタンクの容量が40L以上なので第2種圧力容器の定期自主検査の対象となります。
まとめ
今回は2馬力のコンプレッサーを6機種比較してみました。
どのコンプレッサーもそれぞれ良い部分があるので、どれか1台に絞るのは難しいかもしれません。
下に機種を選定する際の目安を記載しましたので参考にしてみて下さい。
「価格は高くてもハイスペックな製品を選びたい」 → ハイガー産業の【HG-DC991AL】
「安定感のある製品がいい」 → SK11の【SW‐231】または、イリイの【TR-303EC】
「タンク容量が大きい製品がいい」 → 88HOUSEの【SKTOKI ITO】
「充填スピードの速い製品がいい」 → アストロプロダクツの【ハイスピードエアコンプレッサー】
「最高使用圧力を重視する」 → SK11の【SW-231】または、ハイガー産業の【HG-DC991AL】
「静かな製品がいい」 → イリイの【TR-303EC】
「お得感のある製品を選ぶ」 → ONE STEPの【オイルレスエアーコンプレッサー大容量50L】
今回紹介したコンプレッサーはどれも魅力的な特徴を持ったものばかりです。
是非ご自身のスタイルに合った1台を見つけてみて下さい。
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