メンテナンス難易度
北米マフラーという選択
この記事では、ハーレーXL200Xフォーティーエイトの北米マフラーの紹介と純正マフラーを北米マフラーに交換する方法を紹介しています。
読者様のメンテナンスの参考にしていただけると嬉しく思います。
記事内の車両は2018年式のXL1200Xです。

若い頃の夢だったハーレー。
必死に妻を説得して買ったハーレー。
カスタムなんてしなくても平気。
俺はノーマルマフラーのサウンド好きだし・・・
そんな風に自分に言って聞かせていた私ですが、
他の人のハーレーのサウンドやスタイルがどうしても気になってくるものです。
そして徐々に「マフラー変えたいな~」という願望を抱くようになります。
けど、マフラーを交換すれば、それに合ったエアクリーナーやコンピューターのチューニングも必要になります。
そうするとマフラーの他にチューニング費用として10万円~と、けっして安いとは言えない金額になってしまします。
「マフラーを交換してサウンドを変えたいけど、チューニングまでは費用的に無理かなぁ」
と諦めてしまっているオーナー様、
北米マフラーならエアクリーナーもコンピューターも純正のままで大丈夫なんです。
というか北米マフラーが本当の純正マフラーです。
スリップオンタイプになっているので脱着も比較的かんたんなので最初のカスタムにおすすめです。
北米マフラーの特徴

北米マフラーとは、アメリカ国内で販売されている車両に装着されている純正マフラーです。
しかし、日本国内で販売する場合には日本の排ガス基準に適合させる必要があります。
そこで輸出時に日本仕様のマフラーを装着して輸出しています。
このような事情により日本とアメリカでは違うマフラーが装着されている訳です。
という事は・・・?、北米マフラーの方が純正と言えるのかもしれませんね。
それではここから北米マフラーの特徴について見ていきます。
音量
近所迷惑になるような大きな排気音量ではありません。
日本仕様が98㏈なのに対して北米仕様は99㏈とわずかに音量はアップします。
音質
純正品らしく紳士的なサウンドでありながら、日本仕様にくらべて歯切れの良い野太い音質になります。
デザイン
また、マフラー出口がバロニーカットという蓮切りのデザインになっているのが特徴です。
ここのデザインに魅力を感じて北米マフラーを装着するオーナー様も結構いらしゃるのではないでしょうか。
私もこの何とも言えない出口形状に魅せられて北米マフラーを選択した一人です。
その他
北米マフラーに交換後に音量をアップさせたい場合はパンチアウト加工を行ことで音量をアップさせることができます。
パンチアウトは、マフラー内の遮へい板に貫通穴をあける加工の事です。
音量をアップできる他に排気ガスの抜けを良くする効果もあります。
北米マフラーはこんな方におすすめ。
北米マフラーは、主に下記の方におすすめです。
- 純正のフォルムを崩さずに少しだけ音量をアップしたい。
- マフラーを換えたいけど、燃調する費用がない。
- 自分で交換するので脱着が容易なマフラーがいい。
- アメリカが好きだ!
フォーティーエイトのフォルムが好きで手に入れた方なら交換後も納得のスタイルになります。
北米マフラー交換前の準備
ここから北米マフラーへの交換作業について具体的に解説いたします。
交換前に用意するもの
- 北米マフラー(年式によって適合があり)
- ガスケット(2017年以降のモデル)
- インチ規格の工具
北米マフラー (年式によって適合あり)
当たり前ではありますが北米マフラーを用意しなくてはなりせん。
北米マフラーの入手方法は、ヤフオクやメルカリなどのフリマサイトを使って入手する方法と横浜のパインバレーさんのようなショップで入手することができます。
価格は商品の状態にもよりますが新品で7~10万円、中古品は2~5万円で取り引きされています。
年式によって適合がありますので、よくご確認の上でご購入してください。
2004年~2013年モデルにに適合するものと、2014年以降のモデルに適合するものがあります。
ご自身の車両に適合したものをご用意ください。
中古品を購入の際はパンチアウト無しのものをおすすめします。
パンチアウトの大きさによっては純正のコンピューターのチューニングが必要になる場合があります。
ガスケット (2017年以降のモデルは、ガスケットが必要!)
ガスケットとは、排気管のつなぎ目から排ガスが漏れないようにするためのパッキンのような役割をする部品でマフラー交換の都度交換が推奨されている部品です。

購入した北米マフラーが届き、さっそく取り付け作業にかかったところ、「あれ?」
スカスカではありませんか!
「うぉー、北米マフラーの適合を間違えて買ってしまったー」と思い、一気に血の気が引きました。
あわてて買った商品の商品ページを再確認。
「あれ、間違えてない。」
とりあえず一安心。
落ち着いたところで純正マフラーと北米マフラーをよく見比べてみたところ、純正マフラーにはガスケットが使われているではありませんか、
そうです、スポーツスターモデルは2017年からエキゾーストパイプのマフラー取り付け部分が細く絞られた形状に変更されているのです。
このため2017年モデルからはガスケットが必要になります。
2017年以降のモデルのオーナー様はガスケットの用意も忘れずに。

ガスケットは、純正品が一個3300円と少し高めですが、純正互換品(OEM)が半分ほどの価格で販売されていますので、お好きな方をご用意ください。

インチ規格の工具
ハーレーに使用されているネジ類の規格はすべてインチ規格となっています。
そのためミリ規格の工具を使用してネジを緩めてしまうとネジの頭をナメてしまいます。
安いものでも良いので必ずインチ規格の工具を準備しましょう。
- 1/2 インチのスパナ
- 9/16インチのスパナ
- マイナスドライバー
北米マフラーの交換に必要な工具はこの3つだけです。
赤い枠で囲った工具です。

適切な規格の工具はボルトやナットをしっかりとホールドしてトルクをかける事ができるので、工具も愛車も傷めることはありません。
この際、自分のお気に入りの工具を揃えてみるのもいいかもしれません。
気に入った工具があればメンテナンスが楽しくなると思います。
そしてどんどん自分でやるメンテナンスの幅を広げていってください。

【H-D】XL1200X 北米マフラーへの交換作業(2018年モデル)
ガスケットとは、排気ガスの漏れを防止するパッキンのようなものです。
ガスケットが適正に装着されていないと排気ガスや排気音が途中で漏れてしまうだけではなく、バイク本来の力が発揮できない状態になってしまいますので、しっかりと装着します。

マフラー交換の下準備で、ガスケットをマフラーに装着します。
ガスケットはパーツの性質上キツめに作られていますので、すんなりとは装着できません。
最後まで押し込むには少の工夫と根気が必要です。
ガスケットの装着方法
はじめにガスケットの装着部分を清掃します。
場合によっては細めのサンドペーパーをあてます。
次にマフラーの内側にグリスを薄く塗ります。
使用するグリスは熱に強いものを使用します。(ブレーキパッド用など)

素手でハマるところまでガスケットを挿入します。

ガスケットと同じ径の筒状の物で均等に力をかけるようにして押し込んでいきます。
入っていかない場合は、ゴムハンマーなどで優しく叩いてあげると少しづつ入っていきます。
コツは前後左右を良く見ながらガスケットを均等にすこしづづ押し込んでいく事です。
決して焦ってはいけません。1打撃で1ミリ押し込む感覚で作業してください。

パインバレーのガスケットは淵からマイナス2ミリくらいまで押し込んであげないとマフラーが装着できません。
画像を参考にしてください。
これで、ガスケットの装着は完了です。
純正マフラーの取り外し

青い矢印が9/16のスパナを使用する場所です。
赤い矢印が1/2のスパナを使用する場所です。
後ろ側のマフラーを外す

画像は車体の下から見たものです。
2本のボルトで固定されています。

1/2のスパナを使ってこの2本のボルトを緩めます。

次に、9/16のレンチで接続部分の締め付けバンドのナットを緩めます。

結合部のナットを緩めたらマフラーをしっかりと握り、ねじねじしながら抜き取ります。
※この時マフラーが固着して外れない場合は、浸透潤滑スプレーを接続部分に注油すると抜けやすくなります。
※滑り止めの付いた手袋もあると便利です。
前側のマフラーを外す

前側のマフラーの下を見るとネジが4本見えますが、赤枠の2本がマフラーの取付けボルトです。
1/2のレンチを使ってこの2本を外します。

エキゾーストパイプとの結合部の締め付け金具を9/16のレンチで緩めます。

結合部のねじを緩めたら後ろ側と同様にねじりながら引き抜くのですが、
ここで一つ注意が必要です!
後ろ側のヒートガードの取り付け金具がかなり近い位置にあるので勢いよく抜いてしまうと、このネジに接触させて大事なマフラーにキズを付けてしまう恐れがあります。
キズ防止のため養生テープなどで保護しておきましょう。
ネジネジとゆっくりスライドさせてあげればヒートガードを外さなくてもマフラーを外すことができますが、心配であればヒートガードを外してから作業を行ってください。

北米マフラーの取付け作業
純正のマフラーを外すことができたら、用意した北米マフラーを取付けていきます。

取付けは基本的には、取外し作業の逆の順番で行います。

マフラーを取り付ける前に、ガスケットに固着防止のためグリスを塗布します。
ガスケットの内側に薄く均等に塗布することで、次回の交換時にガスケットを傷めることなくスムーズに取り外しができます。
使用するグリスはブレーキパッド用のグリスなどの耐熱性のあるものを使用します。

取り外しの時と同様にキズ防止の養生テープを貼ります。

エキゾーストパイプとの結合部に固定金具をあらかじめ装着しておきます。(忘れがちです)

新しいガスケットだとはまりにくいかもしれませんが、少しずつネジネジしながら差し込んでいきます。

北米マフラーの装着ができたら、取り付けボルト2本を手ではめてみます。
この時、取付けボルトの穴が合わない場合はマフラーの差し込みがあまい可能性があります。
もう一度マフラーの差し込みを確認してください。

ボルトを2本とも装着することができたら
1/2インチのレンチを使ってボルトを締めます。

エキゾーストパイプとの結合部の固定金具を9/16のレンチを使用して締め付けます。

これで前側のマフラーの装着ができました。
後ろ側のマフラーも取り付け方法は前側のマフラーと同様に取り付けます。
作業内容は割愛します。

これで後ろ側のマフラーの取り付けもできました。
あとはエンジンをかけて排気もれが無いか確認します。
マフラーが熱せられると結合部から白い煙か出ると思いますが、これは先ほど塗ったグリスが過熱されて出る煙です。
しばらくすると収まります。

最後にたくさん付いた手垢を拭き取ってあげましょう。
これで純正マフラーから北米マフラーへの交換作業は完了です。
気のせいか少しだけ格好よくなった気がします。
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