メンテナンス難易度
この記事ではハーレーのスポーツスターシリーズのエンジンオイルを交換する手順を紹介します。
今回エンジンオイルを交換する車両はXL1200X(フォーティーエイト)の2018年モデルになります。
写真付きで可能な限り細かく解説していますので、スポーツスターシリーズのエンジンオイル交換を行う際の参考にしてください。
オイル交換作業前の準備
作業前に準備するアイテムはエンジンオイルとオイルフィルターくらいです。
オイルフィルターを交換する場合はオイルフィルターレンチの用意もお忘れなく。
あとは簡単な工具があれば大丈夫です。
使用するエンジンオイルは、【レブテック】の化学合成油
純正のエンジンオイルを用意したいところではありましたが、予算の関係で純正のエンジンオイルには手が伸ばせませんでした。
そこで今回は低価格でありながら純正品に劣らない品質で定評があったレブテックのエンジンオイルを使用することにします。
今回は慣らし運転後最初のオイル交換なので100%科学合成油を使用します。
品名はレブテックSYNTHETIC MTPオイル SAE20W‐50です。
こちらを3本用意します。(946㎖)
※現在は画像にある商品と違うパッケージに変更されています。
商品名にあるSYNTHETICは化学合成油という意味で、
M・T・Pはそれぞれモーター・トランスミッション・プライマリーに使用できるという事を表しています。
SAEは「アメリカ自動車技術者協会」の基準で作られたオイルを意味していて、
20Wー50は低温時と高温時のオイルの粘度を表しています。
オイルフィルターはキジマのマグネットインを使用
オイルフィルターはキジマのマグネットインを使用することにしました。
このオイルフィルターは高性能フィルターとマグネットの力でエンジン内の不純物と鉄粉を効果的に除去しエンジンオイルのロングライフ化を実現します。
オイルフィルターは、エンジンオイル交換の2回に1回交換します。
ここまでがエンジンオイルの交換に必要なアイテムになります。
オイルフィルターを交換される場合はオイルフィルターレンチの用意をお忘れなく!
あとは家にある工具で用事は足りると思います。
エンジンオイルの交換手順
エンジンオイルは温めると抜き取りやすい
冷えたエンジンオイルは粘度が高いのでエンジン内に汚れたオイルが残ってしまう事があります。
まずは10分程走行してエンジンオイルを温めてから作業をすることでオイルをスムーズに抜くことができます。
エンジンオイルを抜き取る
エンジンが温まったらエンジンオイルを抜き取ります。
車体やオイルが高温になっていますので火傷に注意して作業を行ってください。
スポーツスターのエンジンオイルはここから抜きます。
まずはドレンホースを留めているクリップを外します。
クリップを外すコツは正面から引っ張るよりも、奥に指をかけてクリップを開きながら手前に押す?と簡単に外れます。
傷をつけずに外せました。クリップはこんな形をしています。
クリップを外したらドレンホースをこのような感じで車体に引っ掛けて下さい。
オイル受けをセットしたらマイナスドライバーでホースバンドを緩めてキャップを外します。
キャップを外すと熱いオイルが出てきますので火傷に気を付けて下さい。
ドレンキャップ抜いてオイルを排出させます。
さすがに3年物はきったないですね(笑)皆様はこうならないように定期的に交換しましょう。
この時オイルフィラーキャップを緩めるとオイルの抜けが良くなります。
オイルフィラーキャップはプッシュして頭が浮いたら、反時計周りにネジると外れます。
抜き取ったエンジンオイルを確認する
抜き取ったエンジンオイルを静かに捨てた後でオイル受け皿の底を確認すると鉄粉が沈殿している場合があります。
特に新車の慣らし運転直後のオイル交換では鉄粉が多く出るようです。
その後は徐々に鉄粉の量は減少して安定するのが一般的なのですが、エンジン内に異常がある場合などは鉄粉の量が増えることがあります。
今のエンジンの健康状態を知る上で抜き取ったオイルの状態を確認しておく事が望ましいでしょう。
写真の赤丸の中の白い点が鉄粉です。
鉄粉の混じったオイルをエンジン内を循環させるとエンジンにダメージを与えてしまいます。
この期間が長ければそれだけエンジンに与えるダメージは大きくなるという事です。
新車のオイル交換を800㎞と短い期間で行わなければならないのはこういった理由からです。
XL1200Xを含むスポーツスターのエンジンオイル交換は初回は800㎞、2回目は1500㎞、その後は3000㎞ごとに交換します。
オイルフィルターの交換
オイルフィルターの交換がない場合は次へ進んでください。
オイルフィルターを合わせて交換する場合はエンジンオイルを抜いている間に行うと効率よく作業することができます。
オイルフィルターはエンジンオイル交換の2回に1回の頻度で行います。
フィルター周りの養生はアルミホイルが最強!
オイルフィルターを緩めるとフィルター内に溜まっていたオイルが流れ出て大切なバイクがオイルまみれになってしまいます。
そこでフィルターを外す前に車体を汚さなくてもいいようにアルミホイルで養生をします。
この時オイルが流れる道を作るようにしてアルミホイルを形成します。
オイルフィルターの取外し
養生をしてオイル受け皿をセットしたらオイルフィルターを緩めます。
オイルフィルターを緩めるとオイルが流れ出るのでオイル受けに流し入れます。
オイルの流出が収まったらオイルフィルターを外します。
アルミホイルを使った養生ならまったく車体を汚す事なくオイルフィルターの交換が可能です。
オイルフィルターの取付け
新しいオイルフィルターは取り付け前に準備が必要です。
オイルフィルターに半分ほどオイルを注ぎ中のろ材によくオイルをしみ込ませます。
中のろ材にオイルが浸透すれば大丈夫です。
取付け時にこぼれてしまうのでオイルの入れ過ぎに注意してください。
締め付けた時によじれを防止するためにOリングにはオイルを塗っておきます。
フィルターを車体に装着したら素手で力いっぱい締め込みます。
グリップの良い手袋があると便利です。
素手で締められるところまで締め込んだら、フィルターレンチでもう半回転ほど締めます。
※画像の布はキズ防止のために挟んでいます
これでオイルフィルターの装着は完了です。
新しいエンジンオイルの充填はサイドスタンドを立てた状態で行う
エンジンオイルは1クォート入りを3本用意します。
オイルフィルターを交換する場合はちょうど3本必要になります。
XL1200X(フォーティーエイト)のエンジンオイル交換はサイドスタンドを立てた状態で行います。
油面レベルもこの状態で確認します。
スポーツスターの取扱い説明書にも記載されている事項です。
それでは作業を進めていきます。
まずはドレンキャップをはめてホースバンドで固定します。
ドレンホースをもとに戻してホースクリップで固定します。押し込めばOKです。
オイルフィラーキャップを外してエンジンオイルを注ぎ入れます。
オイルフィルターを交換しない場合は3本目は少し余りますので油面を確認しながら注ぎましょう。
オイルを注ぎ終えたら、いったんオイルフィラーキャップを閉めます。
エンジンをかけて1分ほどアイドリングします。エンジン内にオイルを循環させるためです。
エンジンを止めて3分程したら、再度オイルレベルの確認をしてください。
オイルレベルが適量の範囲内にあればOKです。
オイルフィラーキャップを閉めてエンジンオイルの交換作業は完了です。
オイルの交換作業中は異物を混入させないように注意が必要です。特に砂が1粒でも混入するとエンジン内部に深刻なダメージを与えてしまう恐れがあるのでキャップ類やフィルターは常に清潔に管理しながら作業しましょう。
エンジンオイル交換後は試運転でオイル漏れをチェック
オイル交換後は試運転を行います。
実際に走行することで負荷がかかりエンジン内圧力も上昇するので、より確実にオイル漏れなどをチェックすることが可能です。
特にオイルフィルターの結合部やドレンキャップ周辺を念入りに確認します。
問題がなければ以上でエンジンオイルの交換は終了です。
お疲れ様でした。
スポーツスターのエンジンオイル交換は初回は800㎞、2回目は1500㎞、その後は3000㎞ごとに交換します。
エンジンオイル交換をやってみて
今回初めてハーレーのエンジンオイルを交換をやってみて「エンジンオイル交換って大切なんだな」という事がよくわかりました。
オイル交換後に変化を実感したポイントは以下のとおりです。
・エンジンの始動がスムーズになった(バッテリーの負担が減少?)
・エンジンからのシャカシャカ音が軽減(バルブのタペット音が軽減?)
・アクセルを開けた時の反応が良くなった(エンジン内の抵抗が減った?)
このようにオイルの交換前と交換後でエンジンの音、振動、滑らかさに明らかな違いを感じることができました。
もし上記の症状が出て気になっている方は一度エンジンオイルのチェックをされてみてはどうでしょうか。
スポーツスターのエンジンオイル交換はそれほど難しい作業ではありません。
是非皆さんにもチャレンジしてみてくださいね。
今回使用したアイテムはこちらです。
あと、スポーツスターはエンジンオイル交換の2回に1回のサイクルでプライマリーオイルの交換が必要です。
エンジンオイルとあわせてプライマリーオイルの交換も必要という方は下の記事を参考にプライマリーオイルの交換にもチャレンジしてみて下さい。
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