DIYで車の塗装をしたいけど、缶スプレーだと仕上がりや耐久性が不安だよなぁ。
プロのような仕上がりで塗装はできないのかなぁ?
自家塗装をお考えの方ならこのように思うのは当然のことだと思います。
この記事では元自動車塗装のプロがDIYでできる本格的な自動車塗装のやり方を解説します。
多くのかたは「専用の設備や熟練の技術が必要なのでは?」と考えてしまいがちですが、実はそんな事はありません。
プロと同じ塗料を使えばDIYでもプロのように仕上げることが十分に可能なのです。
この記事で紹介する作業を行うには最低限コンプレッサーがある環境が必要にはなりますが、コンプレッサーは1台あれば様々な場面で活躍してくれる強い味方になってくれますのでコレを機に導入されるのも良いかもしれませんね。
車の自家塗装をしようとお考えのかたならきっとDIYでも十分にプロに近い仕上がりになるはずです。
是非とも本格的な自動車塗装にチャレンジしてください。
使用する塗料は関西ペイントのレタンPG80
プロと素人の塗装に大きな差がでる一番の要因はやはり塗料の違いです。
この記事では関西ペイントのレタンPG80という塗料を使用した自家塗装のやり方を解説いたします。
レタンPG80は安心の国内メーカーの関西ペイントが製造販売する塗料で現在も多くのプロショップで愛用されています。
小分けで販売している店も多いので個人でも手軽に入手することができるのでDIYで塗装をするのに適している塗料です。
やはりプロと同じ品質を求めるならプロと同じ塗料を使うのが一番の近道と言えるでしょう。
レタンPG80の入手方法はお近くの塗料店またはインターネットから簡単に入手することができます。
また、カラーナンバーを伝えると純正色に調色してもらえるサービスがあるのでDIYで塗装をする場合はそちらがおすすめです。
脱脂洗浄と足付け
いよいよ塗装をする事が決まったら、まずはじめにやる事は脱脂洗浄と足付けの作業です。
脱脂洗浄と足付けの工程では、油汚れを落として古い塗装に細かなキズを付けることを言います。
この作業をすることで塗料のノリを良くして新しい塗装の密着を良くすることができます。
地味な作業ですがこの工程をしっかりと行わないと簡単に剥がれる塗膜になってしまうので注意が必要です。
作業後はしっかりとエアブローを行って隙間の水分を飛ばしておきます。
マスキング
マスキングは、塗料をかけたくない部分に紙やテープを使って養生をすることを言います。
マスキングに決められた方法というのはありません。
色をかけたくないところに色がかからなければどんなやり方でも正解です。
ただし、マスキングテープは必ず車両補修用を使用します。
脱脂
シリコンオフを浸み込ませたウエスで塗装する面に付着した油脂分を除去します。
脱脂が確実に行われていないと塗装した時に油脂分が塗料を弾いてしまうハジキという現象が起こります。
ハジキが発生してしまうと塗り直しになるので気をつけましょう。
ネタをつくる
カラーベースに硬化剤とシンナーを加えてネタを作ります。
ネタというのは塗れる状態になった塗料のことをいいます。
詳しい調合方法は関連記事を参考にしてください。
カラーベースの塗装
カラーベースの塗装というのは要するに色を塗る工程です。
自動車塗装では3回で色をきめるように塗装していきます。
1回目は捨て吹きといって薄く色をかける程度に塗り、2回目で少し透けの残る程度に塗ります。
そして3回目で透けの無いように色をきめます。
トップコートクリヤーの塗装
カラーベースの後にクリヤーを塗装するときは、
カラーベースのもどりムラを防ぐために、約10分時間をあけて指触乾燥を待ってから作業を行います。
トップコートとして使うクリヤーは、クオーツクリヤーZかSUクリヤーを使用します。
026クリヤーはカラーベースと同じ原料からつくられているので相溶性が良くもどりムラを発生させてしまうリスクが高まります。
クリヤーの捨て塗り
ベースコートと同様にトップコートクリヤーも捨て塗りから行います。
トップコートクリヤーの捨て塗りにはクリヤーのノリを良くすると同時にもどりムラを防止する役割があります。
クリヤーの艶出し
クリヤーの捨て塗りから5分程間隔をあけてからクリヤーの艶出しを行います。
カラーベースと同様で1回目から厚塗りをしてしまうともどりムラや流れなどのトラブルを起こしてしまうので2回目で仕上げるようにするのがポイントです。
乾燥
DIYで塗装する場合は、少し時間はかかりますが自然乾燥させます。
乾燥時間は気温によって異なりますが自然乾燥でも時間をかければしっかりと完全硬化させることができます。
肌調整と磨き
塗装面は平らに見えるかもしれませんが、実は平らではなく表面に無数の凹凸がある状態になっていてこれを肌といいます。
この肌の凹凸を均して磨くことで美しい塗装面に仕上げる事ができます。
肌調整
塗装後の肌を手の平で触ってみると細かな繊維片が埋まって表面がブツになっている箇所があると思います。
まずはこのブツの処理を行います。
ゴミの埋まった部分を#1000~1500のペーパーで平らにします。
次に目消し用コンパウンドを使って肌を調整します。
肌が整ったら仕上げ用コンパウンドを使って仕上げます。
通常はここまでで十分に仕上げることができます。
さらに光沢を求めたい場合や鏡面仕上げにする場合は超微粒子コンパウンドまでかけます。
使用するバフの種類 | ポリッシャーの回転速度 | |
目消し | ウールバフ | 高回転 |
仕上げ | スポンジバフ | 高回転~中回転 |
艶出し | スポンジバフ | 中回転 |
ポリッシャーで肌調整をする場合は、一か所に集中してポリッシャーをあててしまうと高温になり、塗装を傷めてしまったりボディーの鋼板が歪んでしまうおそれがありますので注意が必要です。
回転スピードをコントロールできる電子ポリッシャーがおすすめです。
まとめ
DIYでもプロ並みの塗装ができるという事は分かっていただけましたでしょうか。
塗装は色を塗ることよりも、下準備に費やす労力が圧倒的に多い作業です。
逆にいえば下準備さえしっかりとできれば塗装はキレイに仕上げる事ができます。
DIYで車やバイクの自家塗装をお考えの方はぜひレタンPG80を使ってみてはいかがでしょうか。
コメント